お金の読み物

現役銀行員が本音を伝えていきます。

住宅ローンは変動金利と固定金利どっちが得?

「住宅ローンを組むなら変動金利と固定金利のどちらがオススメですか?」

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よくお客様から質問されます。

毎回お答えするのが「これから金利が上がると思うなら固定金利、現状維持だと思うなら変動金利にしてはいかがですか。」です。

正直に申し上げると私たち金融機関の従業員は将来の金利に対して断定的な発言をすることが禁じられています。

ですので一般的な考え方をお伝えするに留まります。

ものすごく大雑把に説明すると、変動金利金利が上がるタイミングは世の中の景気がよくなってきてからです。景気が悪いままだと変動金利は低い水準のままです。

現在は変動金利が1%を切り、0.3%台の金融機関もあるほどですが、10年ほど前には変動金利の利率は1.5%から2%といった水準でした。したがって、極端な例ではありますが10年後に変動金利が2%になっていることも理論的には有り得る話なのです。

住宅ローンを組む際、多くの方が35年ローンを組むと思います。住宅ローンは得をすることよりも、確実に35年返済を続けることが重要です。すなわち低金利の今のうちにできるだけ長期間の固定金利を組むというのも一つの答えになります。

さらに、土地代金は固定金利、建物代金は変動金利、といったように2本に分けることも今後の金利変動に対して有効なリスクヘッジになります。

超低金利の現在、どうしても変動金利の低さに目を奪われがちではありますが、同時に固定金利の水準も過去最低水準となっていることにも注目していただけたらと思います。

どうしても変動金利でしかローンが通らない、金利が上がっても小幅だろうという方は変動金利1本で。金利動向に一喜一憂したくないという方は長期間固定金利で。どうなるかわからないけど、変動金利の低さも固定金利の安心も捨てがたいという方は変動金利と固定金利の2本立てで申し込まれてはいかがでしょうか。

金利の今だからこそ様々な選択肢があります。ハウスメーカーの営業も返済金額が低く、ローンの通りやすい変動金利を積極的にすすめてくることが多いようですが、言われるがままであったり、まわりで変動金利にしている人が多いから、ではなくご自身で今一度考えて納得のいく返済計画を作成していただければと思います。